こんにちは、人生マガジンです。
前回の記事では「学歴フィルターはある?!現役面接官が世間の嘘と本当をガチで話します」を紹介しました。
今回も引き続き、就職活動についての話題です。
前回の記事同様、役立つ情報を載せました。今回は、世間でも意見が分かれているテーマについて現役面接官が解説します。
就活エリートについて

就活エリートについて深堀していきます。
就活エリートはこういう人
就活エリートにはいくつかのパターンがあります。
今まで出会った就活エリートだと感じた学生は次の通りです。
●東京大学などの旧帝大、早慶などの高学歴
●野球部やサッカー部、水泳部、カヌー部などの体育会系
●海外留学経験があり、TOEIC800点以上の留学組
●中国人、韓国人などのアジアのエリート学生
就活エリートというと高学歴や体育会系、留学経験のある学生などをイメージしているかもしれません。
しかし、近年アジアの学生も、日本の就活生と同じライバルになっているのが現状です。
彼らは母国語・英語・日本語を話せる人材です。企業にとっては喉から手が出るぐらい欲しい人材です。
しかし、日本の大学生のほとんどが英語ができません。そのため、中国や韓国の学生に大きく差をつけられているのが現実です。
就活エリートが強い理由
就活エリートが就活に強い理由は、学生時代を充実して過ごしてきたからです。
学生時代を充実して過ごしてきた就活強者は、面接で有利になります。なぜなら、人に話せるエピソードがたくさんあるからです。
人に話せるエピソードが、たくさんあればあるほど有利になります。なぜなら、どんな質問にも的確に回答できるからです。
私「壁にぶつかった経験と、どう乗り越えたのかお話ください。」
学生A「陸上部員で400メートル走で結果が出なくて、ふさぎ込んでしまいました。しかし、先輩のアドバイスでマラソン選手として結果を出せました。自分はこれだと決めつけてしまう性格がありますが、そんな時こそ、周りの人のアドバイスをきいて行動していきたいと思います。」
学生B「やべ、俺5ちゃんねるの炎上を乗り越えた経験しかないよ・・・」
そのため、集団面接では他の学生を出し抜くことができます。その結果、複数内定を早期に実現させます。
留学組は本当に就活エリートか?
留学組は就活エリートなのでしょうか?留学したからといって、就活で有利になるわけではありません。
留学して何を身に着けることができたのか。そして、どう自分が成長したのかを説明する必要があります。
仮にそれを説明できなかった場合、ただ海外に行っただけというアピールにしかならなくなります。
留学組が少し弱い理由

留学組は、就活エリートの中でも弱いグループに入ります。
母数が大きすぎる弊害
大学生の海外旅行の経験者の割合は37%です。「参考:トラベルボイス 観光産業ニュース」
先ほどの調査は大学生全体を対象にしたものです。そのため、就活生の海外旅行を経験した割合は30%近くになると思います。
また最近だと、30万円出せばオーストラリアに語学留学できます。すると親のお金で短期留学をしただけの勘違い学生が大勢出てきます。
オーストラリアで夏休みの1か月間、語学留学してホストファミリーと仲良くなったぞー。これで就活エピソードとして完璧や!
そのため、5人に1人ぐらいの割合で海外エピソードを取り上げます。けれども、母数が多いので、海外なんて珍しくもなんともありません。
疑わしいエピソード
海外留学は「バイトリーダー」や「サブリーダー」ほど胡散臭く感じます。なぜなら「海外=俺すごいだろ」と思わせるために誇張をするからです。
具体例ですが、複数の学生が海外旅行を海外留学に誇張します。さらに1週間の旅行を3か月の海外留学に誇張します。
また現地人とサッカーをして仲良くなったエピソードを取り上げます。自分から留学生と現地人を繋ぐイベントを開催して盛り上げた強者もいます。
「私は3か月の語学留学を通して(本当は1週間の海外旅行)、現地の学生とコミュニケーションをとれるようになり(YesかNoしか言っていない)、率先して・・・」
大体、みんなやることは似たり寄ったりになります。夏休みのオーストラリア留学とアメリカの半年間の語学留学のエピソードで正直飽きます。
英語をアピールする弊害
多くの留学組が「英語喋れる」「TOEICスコア」のアピールをします。本人は自信満々で「英語喋れる」「高スコア」アピールをするので困ります。
ぶっちゃけ、現地で1週間ぐらい過ごせば、英語の基礎ができていれば誰だって日常会話程度なら話せるようになります。
TOEICも攻略法を使えば、ある程度のスコアまでいきます。攻略法のマスターは受験勉強より簡単です。
そのため「私、英語が喋れるぞー」「TOEIC800点以上だぞー」だけのアピールは意味がありません。英語が喋れることやTOEIC以外のエピソードがないと就活で生き残れません。
その人にアメリカ人が高速で話す電話でのやり取りや、東南アジアの人たちが話すクセの強いビジネス英語を聞き取れるのかと言いたいぐらいです。
「TOEIC800点以上だ、私すごいだろ」は、確かにすごいです。しかしTOEIC800点でも、それだけではあまり役立たないというのが現実です。
また、海外進出を積極的にしている企業ではないと、英語できるアピールはあまり意味がありません。
体育会系が一番最強

体育会系は最強です。もし英語が喋れる留学組と英語が喋れない野球部員がいた場合、野球部員のほうが需要があります。
チームワークプレーが得意
野球やサッカーなどのスポーツはチームワークが重要です。大谷翔平選手が活躍できたのもチームワークがあるからです。
仕事でもチームワークが多かれ少なかれ、どの業界でも重要になります。確かに、営業マンは一人で行動する場合があり、チームワークが関係ないように見えます。
しかし受注したり、工場で作業したりしている人とコミュニケーションをとる必要がでてきます。そのため、営業マンでもチームワークプレーが重要になります。
野球部やサッカー部などの団体種目は、チームワークをすごく重視します。そのため、チームワークプレーができる人物は仲間と協力して取り組むことができます。
仕事でも仲間と協力して取り組む場面が必ずあるので、チームワークプレーが上手い人は仕事ができる人が多いのが現実です。
精神的に強い
仕事が何事も自分の思い通りにうまく進むことはなかなかありません。
そのため、多くの人がもがき苦しむ経験をします。精神的に強いと立ち直りが早く、終わったことに対してくよくよしません。
一方で精神的に弱いと、普段のパフォーマンスが発揮されず、できることもできなくなってしまいます。少し怒られただけで出社しなくなる社員は、体育会系でない場合が多いです。
ほとんどの体育会系の人は競争にこだわって勝負に挑んできました。上級生の人に怒鳴られたり、試合で負けて悔しい思いをしてきたでしょう。
「くそう、またシュートチャンスを逃してしまった・・・。シュートが弱いから、普段の練習でもシュートの練習を多くやるか。」
体育会系は怒鳴られた経験が多いこと、さらには勝負に勝つことの強いこだわりがあります。そのため、精神的に強く、次のステップに踏み出せます。
結果・努力・基礎
体育会系は、基礎を一番理解しています。野球部であれば球拾い、グランド掃除などの下積み時代を経験しているはずです。
仕事も同じで、基礎ができていないのに、先輩社員と同じように結果を出すことはできません。商品知識・競合知識・市場知識などが総合的に求められます。
体育会系も同じで、入部当初にいきなり試合に出ることはよっぽどのことがない限りあり得ません。必ず下積み時代があったはずです。
そういう基礎を理解しているからこそ、努力を人一倍して結果を出します。
下積み時代を経験し、努力をしてきたからこそ、多くの企業でほしがる人材になります。
中高年は精神論世代

多くの中高年はスポーツ根性(通称:スポコン)世代として学生生活を過ごしました。
日本企業は大体ブラック要素がある
今は廃れているとはいえ、新入社員の朝礼での大きな挨拶や新入社員の無茶苦茶な飛び込み営業などを行っている企業がまだまだあります。
中国人やアメリカ人が見たらドン引きするようなことをやっているのが日本企業です。
なぜそういう国際的にみても違和感を感じるブラック要素があるのでしょうか。それは、「若いうちは苦労は買ってでもしろ」という国民性があるからです。
「若いときにきついことをさせると将来伸びる」という半分正しくて半分違和感を感じるようなことを多くの企業で平然と行っています。
確かに新入社員は電話当番などの下積みを経験するべきだと思います。しかし、どう考えても今後役立たない辛い経験をさせるのは良くありません。
体育会系と精神論は相性がいい
多くの中高生は「巨人の星」や「アッタクNo.1」のスポコン世代です。全員とは言いませんが、精神論に多少なりとも影響を受けています。
スポコンマンガの特徴は、無茶な練習や長時間練習などの精神論があることです。そのため、精神論が当たり前のように感じています。
その影響からか、実際に体育会系のシステムとして下級生は下積み時代を過ごします。ボール拾いやグランド整備などは、多少なりとも精神論に基づいて行われています。
また長時間練習をすれば必ずうまくなるという精神論もあります。部活の目的は有意義な時間を過ごすためで、さっさと家に帰りたい人にとっていい迷惑です。
「あー、早く帰りたい、レギュラーメンバーが夜遅くまで練習しているから帰れない。サッカーを楽しむために入部したのに、なんで俺まで夜遅く残るの?」
そのようなシステムがあるため、体育会系は精神的にも強く成長します。しかし、長時間労働が今だ蔓延しているのも精神論が原因ともいえます。
体育会系の種類

体育会系にはいくつか種類があります。
就活エリートのスポーツ
就活エリートのスポーツは野球、サッカー、バレーです。この3種目は次のような特徴があります。
●団体種目
●精神的に強そう
●マンガ・アニメなどに多く登場するから共感しやすい
特に共感しやすいという部分が重要です。面接は面接官とのコミュニケーションなので、面接官が共感しやすい話題が重要になります。
「巨人の星」を見ていた世代が面接官になっているので、野球部は最強です。野球部という理由だけで、面接官に気に入られた例をたくさん見てきました。
野球部ならエピソードを話さなくても、面接官が自分から話してくれる場合があります。そのため、これほど楽な面接はないと思います。
就活であまり強くないスポーツ
就活にそれほど強くないスポーツは、陸上部、水泳部、弓道部などです。これらのスポーツは次のような特徴があります。
●個人種目
●マンガやアニメにあまり登場しないので共感しにくい
特に個人種目なのがネックです。そのため、「みんなで盛り上げよう」という体育会系のノリがどうしても少なくなります。
リレーなどは団体種目に見えて個人種目です。そのため、どうしても野球部のような団体競技と比べて弱くなります。
吹奏楽部や合唱部は体育会系?
吹奏楽部や合唱部は文化系の部活ですが、体育会系に近いです。
●団体種目
●日頃の練習が重要
●身体を使う
ただ、吹奏楽部や合唱部などは運動部に比べて共感を得にくいのが現実です。なぜなら、面接官のほとんどが男性で、吹奏楽部や合唱部などは女性のイメージがあるからです。
実際には合唱部などは男性も一定数います。
体育会系でない就活生へ

体育会系ではない学生が体育会系に勝つ方法を伝授します。
体育会系に勝つ方法
体育会系に勝つためには、個人面接の企業を受けるのが確実です。
もしあなたの隣に野球部エピソードをする学生がいて面接官が食らいついていたら、勝ち目はあまりないのが現状です。
そのため、しっかり自分の話を聞いてくれる集団面接のない企業を受験することをオススメします。
少し不利なのは仕方がない
体育会系でないなら、就活は不利になるのは現実問題として存在します。ただ、それをクヨクヨ嘆いても仕方がありません。
今、自分ができることをしっかりやって、体育会系と同じ土俵で戦わないことを選択するべきです。